大相撲の経済学
個人別総当り制ではない理由、移籍が不可能な相撲部屋システム、年寄り株。大相撲の特殊な世界には、理由(経済的合理性)があるという立派な経済本。
とくに八百長についてが面白かった。金銭授受や星の交換の経済的考察もさることながら、八百長自体に合理性があるというのだ。普通の企業でも競争はあるが、会社のためには皆協調する。病気になるほど働かない。同様にガチンコばかりで怪我をしていれば会社の目標(=相撲文化を守る)に反する。競争にさらされない世界を維持していくためにはある程度身内にやさしいシステムにする必要があるのだ。
- 作者: 中島隆信
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 単行本
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