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潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影

クリック一つで自動的に商品が送られてくるような気がするアマゾンだが、実際の配送は、低賃金のアルバイトを使った人海戦術だった−−実際に物流センターで働いたルポ。
バイトは、紙に書かれた番号の位置にある本を取り出し、カートに入れるだけ。誰でも簡単にできるレベルまでIT化を進めたシステムはすごいと思った。
バイトの多くは、アマゾンで買い物をしたことがない人たちで、

センターを這いずり回るようにして本を探す人と、自宅のコンピュータから本を注文する人とは違う人たちなのだ

と居心地の悪さを感じながらも、一方で、アマゾンでの購入にハマっているのが印象的だった。

アマゾン・ドット・コムの光と影

アマゾン・ドット・コムの光と影

以下メモ。
・アマゾン成功の秘訣
- 特定少数をターゲットとしたワン・ツー・ワンマーケティング
本のソムリエのような、小さな書店のサービスを、コンピュータに肩代わりさせた
- ネット上に同じ趣味を持つコミュニティをつくって、ユーザを囲いこむ

・物流センター
- 運営はアマゾンではなく、日通の子会社。
- センターは、ごく少数のアマゾン・日通社員と、数百人のバイト(時給は\850〜\900)
- バイトを大量に採用し、大量に辞めている
- いくらでも替えのきく安価な労働力を使って競争に勝つ<アメリカ型の経済社会システム>は、日本の労働環境の未来図

・秘密主義
アマゾンは、ノウハウ流出を極度に恐れ、徹底的な秘密主義を敷いている。しかし、副作用も。

情報量が少ない分、アルバイトは疑心暗鬼になり、ある者はどうすれば気に入られるのかと卑屈なくらい従順になり、またある者はバカらしくてやってられないと開き直って辞めていく。それがどこまで計算されてのことかはわからないが、日通のアルバイト操縦法の一つとして、アマゾン張りの秘密主義が幅を利かせていることはたしかだ

再販制度を外す考えはない
 再販制度をうまく利用して、安く仕入れた本を定価で売り、利益をあげるほうがいい