log

奥村昭夫「必然的デザイン」


彩都IMIの公開講座に行ってきました。デザインの裏側が聞けて面白かったです。
「必然的」とは、必ずそのデザインに至る、と聞こえますが、そうなるとデザイナーは皆同じものを作るはずです(奥村氏以外は必然を見抜けないなら別ですが)。
冒頭で、「デザインはコンセプトとか直感ではなく」と言いました。彼の言う必然とは、そのデザインに至った理由がある、程度の意味なのでしょう。
バブル時代ならいざ知らず、いまどき何も考えず、直感でデザインしてる人は少ないと思います。
深澤直人さんは、デザインを、モノと外側の境界をさがす作業だといいました(「デザインの輪郭」)。境界のことを、内と外の力が均衡した「張り」と表現してます。必然的なデザインとはそういうことを指すと思います。

その他所感

QuickTimeVR画像を使ったプレゼンは新鮮。たくさん並べた画像をゆっくりシフトしながら表示するのは上手い。
キャッチコピーの出来がプレゼンで勝つ大きな要因だと思った。牛乳石鹸のパッケージでは、牛の位置を移動させたとき「時代に合わせて一歩進めました」、月桂冠では、何色も使える条件の中、あえて白と黒だけにした時は「良いものは飾る必要はない」。
彼のデザインは、曲線に丸を使ったりするところが、'80年代ぽく古くさいと思った。

奥村昭夫氏

牛乳石鹸の赤箱・青箱、近鉄百貨店の紙袋、月桂冠、ナンパオ、好きやねん、グリコやロート製薬のロゴをデザインされた方です。最近は自分に身近なデザインとして、タイポグラフィなど手がけてらっしゃるそうです。

http://www.okumura-akio.com/

彩都IMI大学院スクール公開講座(面白そうな講座が多い)
http://www.iminet.ac.jp/blog/openlecture/