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数に強くなる

数を把握するとは、ものごとを正しくつかむことに他ならないと思った。若い人は読んでおきたい良書。
数に強くなる (岩波新書)

以下メモ

では、「わかる」とはどんなことか。
たとえば、自分の目の前で何かの現象が起こっているとしよう。まずこの現象を、必ず自分の目で見て観察をする。
そして、その現象が、どのような構成要素から成り立っているかを考える。次に、その構成要素を摘出し、どの構成要素がどう絡まって現象の全体ができているのか、構成要素の構造を考える。
最後に、そうして構造化したものを、自分の頭で動かしてみて、現実の現象と合致するかどうかを検証する。その動きがピッタリ合ったときに、人間は「あ、わかった!」となるのである。

大事なのは、物事の微分的な側面と積分的な側面の両方から、「全体を大づかみに見る」という見方である。(中略)本当にすぐれた人ほど、全体を大づかみに見るということをしている。

ところが、「数に強い人は」そうではない。数にいろいろな属性をつっくつけて、自分なりに全体をつかむことができる。質的なことや量的なとこを始め、どうでもいい余計なことまでを含めて、1つずつの数にたいして種々雑多な属性を貼り付けて、数を豊かのものにするからである。
そうすると、不思議なことに、必要なときに、必要な数が、即座に的確に出てくるようになる。

物事の先頭に立って動いている人は、「その場で作る」という動作をしていることである。本で読んで知ったり、人に聞いて覚えたりするのでなく、必要なことは何でも、自分が動いてその場で作る。そして、判断するのである。